実際の収録から素材として公開するまで
ASTEA Studioでは、街中の音や鉄道、自然音など、さまざまな環境音を実際に現地へ足を運んで収録しています。
環境音は、同じ種類の音であっても収録する場所や時間、季節によって聞こえ方が大きく変わります。
だからこそASTEA Studioでは、できるだけ実際の環境で収録し、その場所で聞こえていた音の雰囲気を残した素材作りを大切にしています。
今回は、普段どのように環境音を収録し、素材として公開しているのかをご紹介します。
使用している収録機材
環境音の収録には、主にフィールドレコーダーを使用しています。
屋外では風の影響を受けやすいため、収録時にはウィンドジャマーを装着するなど、できるだけ風切り音を抑えながら収録しています。
また、収録専用で出かけるときだけではなく、普段の外出や遠出の際にもできるだけレコーダーを持ち歩くようにしています。
「ここでしか録れない」と感じた音に出会ったとき、すぐに記録できるようにするためです。
使用機材:ZOOM(ズーム) H1 essential
ウィンドジャマー:ZOOM(ズーム) H1 essential専用アクセサリーパック APH-1e
街の中を走る路面電車を収録

こちらは街中を走る路面電車を収録したときの様子です。
路面電車は一般的な鉄道とは違い、道路や住宅など非常に生活に近い場所を走っています。
そのため車両そのものの走行音だけではなく、道路を走る車、周囲の音も一緒に聞こえてきます。
ASTEA Studioでは、そうした周囲の環境も含めて、**「その場所で実際に聞こえる音」**として収録しています。
単純な「電車の音」だけではなく、街中のシーンや日常風景などにも使いやすい素材として残すことを意識しています。
同じ電車でも「収録場所」で音は変わる

鉄道の音を収録するときに大切にしていることの一つが、収録場所による音の違いです。
例えば高架付近では、列車の走行音が構造物に反響することで、独特の響きが生まれます。
車両が近づき、頭上を通過し、遠ざかっていく。
その一連の変化も含めて、一つの素材として収録しています。

一方、こちらは先ほどとは違い、周囲が開けた場所で収録しています。
同じ鉄道の通過音であっても、高架付近で収録した音と、開けた場所で収録した音では聞こえ方が変わります。
ASTEA Studioでは、単に「電車通過音」という一種類の素材だけを用意するのではなく、可能な範囲で異なる環境・距離・場所から収録した素材も残していきます。
例えば、
「高架下を通過する電車が欲しい」
「少し離れた場所から聞こえる電車が欲しい」
「開けた場所を走る電車の音が欲しい」
など、作品のシーンによって必要になる音は違います。
その選択肢を少しでも増やせるようにすることも、ASTEA Studioの素材作りで大切にしている部分です。
季節によってしか録れない音も

環境音には、いつでも同じように収録できるものばかりではありません。
例えば蝉の鳴き声。
夏になれば当たり前のように聞こえてくる音ですが、季節が変われば同じ環境で収録することはできません。
さらに、時間帯や場所によって蝉の聞こえ方や周囲の環境音も変化します。
こうした**「その季節だから録れる音」**も、タイミングを逃さず少しずつ収録しています。
夏の屋外シーンなど、作品の季節感を表現するときに使える素材として提供していきます。
出先で偶然見つけた音も収録します

すべての素材が、最初から「今日はこの音を録ろう」と決めて収録したものとは限りません。
普段からできるだけレコーダーを持ち歩き、出先で気になる音や場所を見つけたときには、予定を少し変更して収録することもあります。
こちらも、その一つです。
海辺という場所だけでも、波、砂浜を歩く音、遠くから聞こえる人や街の音など、さまざまな音があります。

また、時間が変われば同じ場所でも雰囲気は変わります。
こうした偶然出会った場所や、その瞬間にしか聞けなかった音も記録しておくことで、素材の種類を少しずつ増やしています。
有名な場所だから録るのではなく、
「作品の中で使えそうな音があるか」
という視点で周囲の音を探しています。
収録した音を素材へ

現地で収録して終わりではありません。
持ち帰った音源を確認し、収録開始・終了時の不要な部分や、素材として必要のない箇所などをカットしていきます。
ASTEA Studioの環境音素材では、基本的に必要以上の加工を行わず、できるだけ収録した音そのものを残すことを意識しています。
理由は、素材を使用する作品によって求められる音が違うからです。
映像作品、アニメ、ゲーム、配信など、それぞれの作品にはそれぞれの世界観があります。
最初から強い加工を施した音を提供するのではなく、できるだけ元の音を活かした状態で提供することで、利用する方が作品に合わせて加工・調整できる余地を残しています。
「素材側の世界観を押し付けるのではなく、使う人の作品の世界観に寄り添える音にする。」
これが、ASTEA Studioで環境音素材を制作するときに大切にしている考え方の一つです。
その場所でしか録れない音を、作品の素材へ
普段何気なく聞いている電車の音、街の音、蝉の声、波の音。
日常では意識することの少ない音でも、映像やアニメ、ゲームなどの作品に入ることで、その場所の空気や季節、距離感を表現する大切な要素になります。
ASTEA Studioでは、これからも実際にさまざまな場所へ足を運び、その場所・時間・季節だからこそ録れる音を少しずつ記録していきます。
そして、収録した音を単に並べるだけではなく、作品を作る方が「このシーンに使いたい」と思える選択肢を増やしていくことを目指します。
あなたの作品の世界を作る、その一つの「音」として。
ASTEA Studioの素材がお役に立てれば幸いです。